朝日新聞(夕刊)ウイークエンド経済 (2001年02月24日掲載)

<未来先取り ・・ 24時間営業もカギ握る医師会の動き>
福岡県稲築町の医療法人・博文会が、福岡市に24時間診療の「空港口24時間歯科・小児歯科医院」を新設したのは昨年5月。
深夜でも毎日5人ほどの患者が来る。
深夜帯だけで見れば赤字だが、「24時間」「年中無休」と国道沿いに大きな看板を掲げた宣伝効果が受け、5人の常駐医師で患者100人を診察する日もある。

しかし、挑戦者には一つの「壁」がある。
歯医者さんの業界団体・歯科医師会だ。
往診専門の古荘さんは歯科医師会に入っていない。
「入会すると横並びの体質に縛られ、新しい診察スタイルは築けないから」と打ち明ける。
空港口歯科医院を経営する平野博文理事長(37)は5年ほど前、別の歯科医院で深夜診療を始めると、地元歯科医師会幹部から「夜遅くまでやられると、会社を途中で抜けて歯医者に来る患者が減って困る」とにらまれた。
平野さんは無視し、歯科医師会から退会した。
すると一週間後、税務署が査察に来た。